ファミコン世代が降ろしそこねた荷物 - ホットライン マイアミ

Steamセールで 1+2 パックを購入。

自分は残虐表現は好きではなくて、血がドバッと出ても気持ちは盛り上がらず、むしろ盛り下がるのだが、そういう嗜好を加味してもプレイすべきタイトルだろうと他所の人の感想を見て前々から思っていた。

いやー面白かった。 

まず

魂斗羅とか、ダブルドラゴンとかの主人公って、大量殺人犯では?』

という疑問がファミコンの時代から結構あるわけです。

それに対する答えとしては、ストリートファイターZERO3コーディー(傷害犯として刑務所に収容)とか、エスプレイドの最終ステージ(飛行機や戦車に代わって人型の敵が登場し、主人公たちが大量殺人者であることを強調)とかがあります。

このホットライン マイアミの主人公は、そういう人殺しが大好きで、同時に映画をレンタルして楽しんだり、自宅でゲームに耽ったりする普通の男性であるんですが

その表現が非常に渋いというか、つつましいというか。
ドット絵残虐ゲームの体裁を崩さず、ドットの細部で少しずつプレイヤーに伝えてくるんですよね。そういう情報を。
その感じが中々面白い。

であと

『ゲームの主人公って何百回も死ぬけど気が狂わないの?』

とか

『ラスボスを倒して終わるけど、本当にそれで世界が良くなるの?』

そういう素朴な疑問が、ファミコン時代の原始的なゲームにはついてまわるわけですね。
ゲームだから、で終わっても何も問題はないんだけど、一定のラインを超えてファミコンが好きだと、そういう疑問についてひとこと言わないと気が済まない、そういう場合もあるんですね。

そういう情熱が、このゲームのドットに凝縮されている、と自分は思うわけです。