読了記録 - おおきく振りかぶって 28巻

Kindleで購入。 ネタバレ込みで感想をダラダラと。

 

メンタルトレーニングに関する話と、試合が始まって三橋が苦手な相手にソロホームランを撃たれる話。

「はじめの一歩」が必殺技の改良という非常にジャンプ漫画的な、ファンタジーな方向に舵を切って、それに説得力をもたせようと四苦八苦してるのに対して

おおきく振りかぶって」はストラックアウト百発百中というファンタジーな設定から始まったのに、そこから後退して4分割程度のピッチャーとして設定を現実そのものに寄せた。

自分にとって「最近のはじめの一歩」がなぜ駄目なのか では、はじめの一歩は本格ボクシング漫画として主人公の成長を止めたほうが良かったのではと書いたが

さらに踏み込んで、主人公の能力を減らす方向に舵を切るスポーツ漫画というのは中々ないんじゃないだろうか。

幕之内一歩の「不器用なボクサー」という欠点が改善不可能な個性として固定されているのに対して、三橋廉の「メンタルの弱さ」「体力の少なさ」といった欠点はトレーニングや工夫にによってある程度克服出来ると捉えられているのも対称的だ。

 かつての「1年だけのチームで、強豪校を倒してしまう」というエンターテイメントと比べると、現状のストーリーが盛り上がりに欠けるのも事実だが。
 若い野球選手の奮闘を解像度細かく描くという点に特化して、イイ感じの作品に仕上がっている。