自分にとって「最近のはじめの一歩」がなぜ駄目なのか

ネガティブな感想を書く。
買う価値が無いという程の意味ではなく、あくまでも愚痴みたいなもん。

はじめの一歩(100) (講談社コミックス)

はじめの一歩(100) (講談社コミックス)

 

100巻を節目に読まなくなっていた「はじめの一歩」を、最新刊まで読んでみた。
良いところは沢山あるのだけれども、つまらないという気持ちが先に立つ。というか、つまらないから読まなくなってた。

年をとって、感受性が摩耗したから、という理由が一番大きいと思うのだけれども。色々と理屈を考えてしまう。

元々この作品には「下半身を鍛えて、一瞬で間合いを詰めることにより不器用な一歩の欠点を克服」などのスマートなロジックが存在したのだが、連載が長期化することでそれが当たり前になってしまった。
しかも今さら不器用なのは治らないし、世界では通用しない、という設定になってしまった。

そこで体全体をさらに鍛えて、不器用なままデンプシーロールをバージョンアップして世界に挑戦、という話を延々とやっている。

これが自分の感性に全然合わず、読んでてキツイ。

特訓するシーンをちゃんと書いて、それで強くなるのは素晴らしいって言う人もいるんだけども。しかし自分は納得できない。

長いボクシングキャリアがある人間の身体能力がグーンと上がって、今まで世界中の誰にも出せなかったようなパンチが出せるようになる、というのは非常にファンタジー寄りの話で、いくらページを割いて「いかに苦労しているか、努力しているか、悩んでいるか」を書かれても、好きな漫画で楽しい気分になりたいだけの、わがままな自分の心は萎えるばかり。

気持ちの問題で勝ち負けが決まる、そっち方面に行ってほしくなかった! と強く思ってしまう。

「本格ボクシング漫画」として、千堂を倒して日本チャンピョンになった辺りでボクサーとしての能力は頭打ちになって、勝ったり負けたりが続いても良かったのではないかと感じる。

それをやると、週刊誌の中での人気は低迷したかもだけど……

アイシールド21の途中からのガッカリ感も近いものがあるのだが、あれはまたちょっと違うロジックがある。機会があれば書きたい。