モブサイコ100

少し以前に、Kindleで期間限定無料をやっていたのを読んでハマった。 

モブサイコ100(1) (少年サンデーコミックススペシャル)
 

ヒーロー物のパロディだった「ワンパンマン」は自分には刺さらないテーマだったのだが、こっちは素晴らしい。

まず絵が良い。CMで「アニメに比べて絵が微妙」などと言われているが……自分には何が悪いんだか分からない。

ひぐらしのなく頃に」「ハチワンダイバー」「カイジ」などの作品を指して、「絵は微妙なんだけど面白いんだよ」と紹介する人がたくさんいる。昔から不思議に思っている。
絵画コンクールではないのだから、作者の伝えたい内容がしっかり絵に含まれているかどうかが重要ではないか。
写実的な表現は、それ自体を魅力とするジャンルでなければむしろ邪魔ではないだろうか。
同人ゲームを商用コンソールに移植するとき、違う人の絵に載せ替えてしまったりするが、本当にあれは必要かといつも思う。

モブサイコでは、爽やかな好青年であるモブの弟は爽やかに書かれ、窮屈な家庭で鬱屈している生徒会長は老けて書かれ、押しの強い女の子の表情はキツくて押し付けがましい。
それらの表現は物語のパーツとして自然で、とてもレベルの高い絵だと思う。

そしてなんといっても見開きが素晴らしい!
見開きの1枚絵はこの作品の最大の魅力だ。それらは話の帰結であったり、主人公の力の表現であったり、色々なのだけど。
モブサイコ作者の、世界を描く力の強さを感じる。