善人シボウデス 感想

Steamのサマーセールで購入。
ダブルパックで購入し、9時間9人9の扉をプレイした後に始めた。前作に満足できたなら全く問題のない内容。

極限脱出ADV 善人シボウデス

極限脱出ADV 善人シボウデス

 

デスゲーム的な要素が導入されたものの、そのルールは緩い人狼ゲームのようなもので相変わらず上品にまとまっている。
徘徊しているシリアルキラーが襲い掛かってきたり、デストラップ的な密室が登場したりはしない。

別ルートでも、共通のテキストが既読スキップの対象になる。
これは非常に助かる。スキップの速度も快適だった。

各ルート同士が補完しあう演出は強化されている。

ネガティブな感想を以下に書き出す。
少しでも気になったところを列挙しているだけで、特に作品の評価が低いというわけではない。

囚人のジレンマ」をテーマにした分岐がメインになったが、あまり効果的に活かされてない。
こういうゲーム理論で駆け引きを表現するなら、「ライアーゲーム」のようなある程度の複雑さが必要だろう。 これは単純すぎる。

単純になっている理由は、「囚人のジレンマ」に対する選択肢が単なるシナリオの分岐条件だからだろう。結果として、相手を信じたから/疑ったからという曖昧な理由で話が進み、主人公達大勢が神崎直みたいなキャラになってしまっている。
(神崎直はライアーゲームに登場する、行き当たりばったりで行動する、読者よりも少し頭が悪い人物として描かれるキャラ)

またバッドエンドでは、ゲームの勝利条件を満たした人間が、外に出ていくのを主人公たちが何もせず見ている事が多く、強い違和感を感じる。
ちなみに主人公が出ていくバッドのときだけ力ずくで止められる(笑)

この辺は、ゲーム全体のデザインを決めた時点で不可避だったろう。
登場人物たちを人並み以上に頭の人物にするなら、ほぼ一本道のシナリオにしないと収拾がつかない。

PCでやるにはちょっとダルいインタフェース。
昔のバイオハザードみたいに、アイテムを回して情報を得るシーンがあるのだが、自分で回さなくても仲間が勝手に教えてくれる。
もしかしてPC版はインタフェース的に気づきにくいから簡便化されたのだろうか?

時々、全画面ウィンドウにしているはずなのにタスクバーが上に被さってきてゲームを再起動するしかなくなる。自分の経験上これはWindows10のほうの不具合な気がする。

主人公が時々突然 EVE burst error の主人公のような寒いセクハラギャグを言う。
こういうギャグ要素がなんか浮いてるのは前作と同じ。EVEの主人公はそれが芸風なので気にならないが、こっちはまじめなのかなんなのか分からなくてイラつく。

マップがわかりにくい。マップを把握しなくても問題なく話を進められるので、途中であきらめた。

実績100%にしたが、妙にスッキリしない終わり方で釈然としない。
前作は、スッキリ終わったのに最後に続編をほのめかして終わったが、今作はスッキリ終われる所を無理に引き伸ばして、わざわざ終わっていないような雰囲気にして終了している。
なぜわざわざこんな事を?