極限脱出 9時間9人9の扉

極限脱出 9時間9人9の扉

極限脱出 9時間9人9の扉

 

 前から気になっていた作品をSteamのサマーセールで購入。

「見知らぬ人間同士が、何者かに密室に連れ込まれて……」という系統の作品としては大分オーソドックスで、その手の作品が好きなら全編通して安心して(?)プレイできる。

「前回のゲームに参加していた人」とか「記憶喪失の人」とか「俺は帰らせてもらう!的なことをいいつつ死ぬ人」とか出てきて、実に安心(?)である。

気になっていたのに今までプレイしなかった理由はそれで、多分(自分にとっては)普通だろうなという予感が強かった(そしてその予感は当たった)

シナリオ分岐を辿るうちに、だんだんと謎が解き明かされていく作りは中々見事なもので、この手のアドベンチャーゲームにありがちなSFに食い込み気味の設定もよく出来ている。
ただ自分は何を見ても「それ古典SFにありますよね」と言いたくなる病気に罹患しているため驚きはなかった。

以下、大したことのないネガティブな感想。
備忘録的に書きだしたもので、購入の判断には含めなくていいレベルのもの。

脱出時の共通ムービーで一回フリーズした。

ウィンドウからフォーカスが外れると動作が止まるのなんなのこれ。超不便。
メッセージスキップも遅くって、選択肢を全部網羅するのダルすぎて諦めた。

昔のバイオハザードみたいに、入手したアイテムをグルグルまわして見物できるのだが何の意味もない。

分岐がわかりにくく、面白くない。
トーリーの流れは、

  1. 共通シナリオ
  2. 2つの分岐
  3. 共通シナリオ
  4. 3つの分岐
  5. 共通シナリオ
  6. 3つの分岐
  7. エンディング分岐

という順序になっていて、2,4,6の分岐の組み合わせが正しいと、物語の核心に迫るエンディングが見れるようになっている(正確には、それに加えて物語の途中で正しい選択肢をいくつか選ぶ必要がある)

しかしスーパーマリオの無限ループじゃないんだから、物語序盤の選択にまで遡らせないでよ、と思った。
せっかく主人公に、アドベンチャーゲームと相性の良い設定がくっついているんだから、分岐を一度網羅すれば、7のエンディング分岐を自由に選択できるようにして欲しかった。

話の本題は閉鎖空間からの脱出を目的としていて、殺し合いを強制されたり、デストラップ的なギミックが登場したりはしない、上品な作りになっている。西村キヌの綺麗な絵もそれに彩を加えている。
のだが、なぜか登場人物たちが突然ライトノベルのギャグパートのような会話を始めたりすることがあり、なんだかちぐはぐな印象を受けた。
デスノートのように上品で頭のいい雰囲気で進めればよかったと思うのだが。

最後に見ることになるエンディングでの、殺人犯に対するギャグっぽい扱いも作品の熱を冷ます要因にしかなってない。

伏線の消化がいい加減のまま終わる。まあ主犯は普通にプレイしていればわかるから、プレイヤーが考えろってことで問題ないとは思う。

しかしエンディングの1枚絵で続編を仄めかして終わる。これは最悪だと思うのだがどうか。
ちょうどミステリートFの広告がYU-NOにぶっこまれているのを見てイライラしていた所なのだが。ミステリートといい、最近の逆転裁判といい、こういうのはいつ見ても最悪だ。