モブサイコ100

少し以前に、Kindleで期間限定無料をやっていたのを読んでハマった。 

モブサイコ100(1) (少年サンデーコミックススペシャル)
 

ヒーロー物のパロディだった「ワンパンマン」は自分には刺さらないテーマだったのだが、こっちは素晴らしい。

まず絵が良い。CMで「アニメに比べて絵が微妙」などと言われているが……自分には何が悪いんだか分からない。

ひぐらしのなく頃に」「ハチワンダイバー」「カイジ」などの作品を指して、「絵は微妙なんだけど面白いんだよ」と紹介する人がたくさんいる。昔から不思議に思っている。
絵画コンクールではないのだから、作者の伝えたい内容がしっかり絵に含まれているかどうかが重要ではないか。
写実的な表現は、それ自体を魅力とするジャンルでなければむしろ邪魔ではないだろうか。
同人ゲームを商用コンソールに移植するとき、違う人の絵に載せ替えてしまったりするが、本当にあれは必要かといつも思う。

モブサイコでは、爽やかな好青年であるモブの弟は爽やかに書かれ、窮屈な家庭で鬱屈している生徒会長は老けて書かれ、押しの強い女の子の表情はキツくて押し付けがましい。
それらの表現は物語のパーツとして自然で、とてもレベルの高い絵だと思う。

そしてなんといっても見開きが素晴らしい!
見開きの1枚絵はこの作品の最大の魅力だ。それらは話の帰結であったり、主人公の力の表現であったり、色々なのだけど。
モブサイコ作者の、世界を描く力の強さを感じる。

善人シボウデス 感想

Steamのサマーセールで購入。
ダブルパックで購入し、9時間9人9の扉をプレイした後に始めた。前作に満足できたなら全く問題のない内容。

極限脱出ADV 善人シボウデス

極限脱出ADV 善人シボウデス

 

デスゲーム的な要素が導入されたものの、そのルールは緩い人狼ゲームのようなもので相変わらず上品にまとまっている。
徘徊しているシリアルキラーが襲い掛かってきたり、デストラップ的な密室が登場したりはしない。

別ルートでも、共通のテキストが既読スキップの対象になる。
これは非常に助かる。スキップの速度も快適だった。

各ルート同士が補完しあう演出は強化されている。

ネガティブな感想を以下に書き出す。
少しでも気になったところを列挙しているだけで、特に作品の評価が低いというわけではない。

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カッコいいというのは一番重要なこと - 土曜日の実験室

なんか買ったままスキャンして放置していたっぽい本を10年越しぐらいで読む。
既に安い文庫版まで出ちゃってる(自分が読んだのは古い方)

実は一読していたりするかもしれないが、覚えてない。

自分はかつて、凹村戦争を読んでもビビッと来なかったタイプで、西島大介のファンでも無いと思っていたんだけど、今読んでみると結構面白くて、10年経っても色褪せない魅力があって驚く。
好きだわこの人。

明浜市立東本郷中学校ポーカー列伝!

昔買って読んだ本なのだが、Amazonのページがなくなっていた。

スクールポーカーウォーズ 1 (JUMP j BOOKS)

スクールポーカーウォーズ 1 (JUMP j BOOKS)

 
スクールポーカーウォーズ 2 (JUMP j BOOKS)

スクールポーカーウォーズ 2 (JUMP j BOOKS)

 

こっちで出版したから消えたのかなこれ。
じゃあ今手元にあるこのKindle本はレア? レアなKindle本なんて概念があるの?

読了記録 銭ゲバなど

読了記録 

銭ゲバ(上) (幻冬舎文庫)

銭ゲバ(上) (幻冬舎文庫)

 
銭ゲバ(下) (幻冬舎文庫)

銭ゲバ(下) (幻冬舎文庫)

 

以前から気になっていた古典的名作を、ポイント還元セールを利用して拝読。
その後の作品が、どれだけこの作品の影響を受けて作られているかよく分かる。

無料だったので3巻まで 読んだ。
「東京に原発を!」をそのまま実行して、死の街になっちゃいました。という世界観。

東京に原発を! (集英社文庫)

東京に原発を! (集英社文庫)

 

作品としては、まっとうな冒険活劇を踏襲している。 

短編集なのだが、暗喩が多すぎて理解し難い。

史群アル仙のメンタルチップス を先に読んでいると、作者のバックボーンが透けて見えてある程度は分かりやすくなる。

例えば、昼は周りとうまく付き合えているのに、夜になると理不尽に責められる、という話は躁鬱的な精神状態の変化の暗喩だと思われる。
しかし、それが正しいのか、そもそも作者はそういった意図を自覚的に込めているのか、といった点は分からないのでモヤっとする。

Kindle100円セールで購入。
将棋というテーマに惹かれて買ったのだが、詳しく取材して書いているなと思うものの、それ以上のものではなかった。

基本的には、女子小学生を愛でる嗜好を持ってる人向けのライトノベル
3巻は大人の女性棋士にスポットライトが当たり、「銀盤カレイドスコープ」っぽくなる。 

 

成田良悟の作品が好きなので購入。

1巻は普通に楽しく読んでいたのだが、だんだん「いくらなんでも登場人物の説明が少なすぎない?」という雰囲気になって、これ読者がFGOやってる前提の書き方だわと気づく。

FGOやるぐらいなら、その時間と金で本買うわと思っていたのだが、こうなるか。
めんどい。

「ぎゃんぷりん」は押切蓮介の作品だということと、ポイントの還元率が高いことで衝動的に買った。
パチンコ中毒の女の子が、金を無くしては嘆き悲しむ話が繰り返される内容。
毎回やっている事が単純すぎて、面白いと思えるところまでいってない。

CRミスミソウとか、ペイティチャンス(ウヒョッ!東京都北区赤羽 のキャラ)とかの既存作品のパチンコ化パロディは面白い。

「狭い世界のアイデンティティー」は、単行本発売当時にモーニングに掲載されていた特別読み切りが面白かったので買ったのだが、その読み切りよりも面白い話は含まれていなかったので残念。

結果を受け入れるフィクション

50%ポイント還元セールで、読み逃していた片山まさゆきの本を購入した。 

お金を取るフィクションというのは、主人公が凄く立派なことをしているように演出したり、とんでもない事が起こっているような雰囲気にしたりと、色々な工夫を行い読者を楽しませるものだ。

しかし片山まさゆき氏の作品は、時としてそういう工夫に乏しいものになる。
麻雀という運の要素が強いゲームを題材にしているためか、登場するキャラクター達は、等身大の人間のまま理不尽な負けや、望外な幸運による勝ちを受け止め、そのまま物語が終わることがしばしばあるのだ。

フィクションの世界の中には、必ず願いは叶わなければならないという強迫観念が存在する。
そういうのに疲れるときもある。だから自分は、片山まさゆきの作品を定期的に追いかけているのだろう。

永遠になった牌譜 - ショーイチ

懐かしさだけで読んだ。
昔の麻雀劇画に興味があるなら、Kindle Unlimitedは宝の宝庫だ。 

ショーイチ (1) 20年間無敗の男 桜井章一伝 (近代麻雀コミックス)

ショーイチ (1) 20年間無敗の男 桜井章一伝 (近代麻雀コミックス)

 

積み込みの内容まで含めての牌譜が描かれる「治外法権麻雀」編の完成度は今見ても突出している。
いまどき手積みの技術を磨く人もいないだろうし、牌譜の制作が超面倒だろうし、これと同等の作品は二度と出てこないんじゃないだろうか。

「偉い政治家に脅かされて、代打ちさせられる」というシンプル過ぎるシナリオもイカス

ついでに「雀鬼サマへの道」も読む。あったな~こんな漫画って勢いで読んだが。まあファンでないと読む意味なかった。